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区切りではなく、未来へ続く通り道
「納棺式に立ち会ったのは初めてですが、こんなにもゆっくりお別れできる時間なのですね」 「こんなふうに、笑顔で見送る家族っていますか」
これは、実際に納棺式を終えたあと、ご遺族様から いただいた言葉です。
“お別れ”と聞くと、悲しみだけが強く残る時間を 想像される方も多いかもしれません。
けれど、納棺式の場には、静かな涙と同時に、安堵やあたたかな表情が生まれる瞬間があります。 私が納棺師として大切にしてきたのは、
「こうあるべき別れ」を 押しつけることではありません。
ご遺族がどのように送りたいのか、その想いを 丁寧に汲み取り、
それを形にするお手伝いをしている、という気持ちで向き合っています。

ご家族が故人様と歩んできた道のりは、一つとして同じものはありません。
だからこそ、送り方がご家族ごとに違うのは、とても自然なことだと思うのです。
納棺式が、ご遺族にとって
「区切り」ではなく、
これからの人生へと静かにつながっていく
心安らぐ通り道となること。
それが、私が目指している納棺式のかたちです。
